季節の写真を撮りましょう。

「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」(在原業平)

好きな和歌のひとつですが、仕事柄、室内で過ごすことが多い私は、桜の見頃を見送ってしまわないかと、毎年はらはらしています。

そんなわけで「今年は見逃さないぞ」と固く決意し、カメラを持って出かけました。弊社の周辺は桜の見所が多くあるのです。

「あっちの桜も、こっちの桜も」と会社の周りを廻りました。もう散りはじめでしたが、一気に咲き誇った今年の東京の桜を写真に収めることができました。

こんな話を書いたのは、写真の大切さをお伝えしたかったからです。お客様のお仕事を手伝っていると「写真がないんです」というお困りの話に出合うことがときどきあります。社内イベントやセミナーを実施したときに写真を撮ることまで手が回らなかったためです。文章で説明するなど代替手段を考えますが、やはりその場面を見せるのが一番。写真がなくてちょっと残念、と思って仕上がりを見届けることがあるのです。

「この季節でないと撮れないシーン」というのが年中行事であると思います。スナップ写真もその場の雰囲気が伝わって良いものです。ぜひ、カメラやスマートフォンで「この季節でないと撮れないシーン」を収めてください。

【コラム 株主通信5】株主通信は、PDFではなく冊子で読みたい人が多い

~e-株主リサーチ 個人投資家モニターアンケートより~

「このネット時代、株主通信を印刷して郵送するのではなく、ホームページにPDFや電子ブックをアップして、そこに見にきてもらうようにすればよいのではないか」

こうしたお問い合わせをいただくことがあります。

弊社には、「e-株主モニター」というインターネットをつうじて登録していただいている個人投資家モニターがいます。この「e-株主モニター」を対象に、毎年企業のIRについての意識調査を行っています。

その調査結果では、回答された方の52.1%が「従来どおり冊子を郵送してほしい」の選択肢を選択しています。

Q:株主向け報告書(株主通信)の制作・郵送に関して、ご意見をお聞かせください。

「半分しかいない」というふうに受け止められるかもしれませんが、この調査はインターネットを使える人たちを対象としたインターネットでの調査です。つまり、インターネットを使いこなす人でも過半数が冊子の郵送を求めているのです。インターネットを使うことのない・少ない方々も多数いることを考えると、実際には冊子の郵送を求める人の割合はもっと高くなるものと考えています。

これを株主通信の読み方別に割合を出すと、もっとはっきりした傾向が見られます。

株主通信に「必ず全ページ目を通す。」と答えた人の75.1%が「従来どおり冊子を郵送してほしい」と答えています。

「株主通信は、冊子の形で定期的に手許に届けてほしい」 調査結果からはインターネット時代であっても、個人投資家のそんな気持ちが浮かび上がっているように思います。

なお、今回の調査について、弊社ホームページにニュースリリースを出していますので、そちらもぜひご覧になってください。

「個人投資家における「ESG投資」の認知度は緩やかに高まる。
スマートフォンでIR情報を取得する個人投資家の割合が高まる。」

(URL)https://www.a2media.co.jp/news/detail.php/35

この調査、あるいはe-株主モニターアンケートに興味を持たれた方は、お気軽にお問い合わせください。

※今回の調査は、2018年1月19日~1月29日に実施いたしました。

【 コラム 株主通信 4 】 財務諸表が見てわかる

「見てわかる」工夫、そのなかでもっとも大きな変革は「財務諸表の視覚化」です。

企業の業績を伝えるにあたって、財務諸表は重要な情報になっています。しかし、数字だけが並ぶ財務諸表ではどのくらい良くなったのか(悪くなったのか)イメージが湧かない、また数字はどうしても苦手、という人が少なくありません。

「数字が苦手な人に、どうすれば数字で伝えたい内容をイメージしてもらえるか」

ここでも「見てわかる」がキーワードです。

【例】

・損益計算書(要旨版)

・グラフにした損益計算書

~前期より伸びた理由を吹き出しで補足

どうでしょうか。

この例は、前期より数字が伸びた場合の損益計算書ですが、表に数字が書いているものでも、前期より数字が伸びていることはわかります。しかし、どのくらい伸びたのかは、グラフにしたものの方がイメージをもちやすくありませんか。それに、数字だけで見るよりは、生き生き伸びている感じがします。

財務諸表をグラフにして表現することは、「財務諸表は表である」という考えも強くあったので、受け入れられるのに少し時間がかかりましたが、いまでは、株主通信においてグラフにした財務諸表は受け入れられています。

また、株主通信を受け取る個人投資家にも、この表現方法は浸透していて、弊社が定期的に行っている、個人投資家モニターアンケートでも回答者の約半数がこの表現方法を支持しています。

※出所:e-株主モニターアンケート(a2media 2017年1月実施)
「Q:株主向け報告書(株主通信)によく掲載されている財務諸表について、ご意見をお聞かせください。」

 

アワードで知る、海外向けIRのトレンド

私たちa2mediaでは、海外向けIRのトレンドをつかむために、海外でのアワード受賞作品を、社内の勉強会などで閲覧・検討しています。今回はその中で、参考にしているアワードについて 、いくつかご紹介いたします。

 

◆ Building Public Trust Awards (BPTA)

https://www.pwc.co.uk/build-public-trust/the-building-public-trust-in-corporate-reporting-awards.html

[主催] PwC UK(イギリス)

エンロン事件やワールドコム事件を受けて、公正な報告を目指して設立されたアワードです。企業活動を通じての社会への貢献や、公共の信頼を考慮するなど、変化する社会情勢にも適応してきています。企業報告部門ではFTSE350銘柄が審査対象となっています(「人材」についてのみ対象はFTSE100銘柄)。

なかでも、「人財 管理」human capital managementや「雇用の実践」employment practiceを評価する人材部門などが興味深いです。大手監査法人主催ということもあり、税金部門も。国際的な租税回避に対する規制強化の流れを受け、こういった項目も今後は注目されてくることと思われます。

このアワードの経験などに基づき、FTSE350銘柄のアニュアルレポートについて、トレンドをまとめた記事をこちらで読むことができます。
https://www.pwc.co.uk/services/audit-assurance/insights/ftse-350-reporting-trends-.html

 

◆ ARC Awards

http://www.mercommawards.com/arc/awardWinners/categoryWinners.htm

[主催] MerComm, Inc.(アメリカ)

細分化されたカテゴリ毎にアニュアルレポートを評価するアワードです。社長メッセージ部門や、情報を視覚的に伝えるインフォグラフィックス部門など、ちょっと変わった賞もあり、各賞も産業分野ごとに細かく分類されています。

個別のアワードではないですが、国際統合報告評議会(IIRC)が運営するデータベースサイト上では、各国の表彰を受けた統合報告書の事例集を確認することができます。

IIRC、Black Sun(イギリス)

http://examples.integratedreporting.org/recognized_reports

 

こういったアワードから、海外投資家やステークホルダーが注視している項目について傾向を知るとともに、アワード選考委員の問題意識から、今後のIRにおける重視項目なども探っていきたいと考えています。

海外向けに、日本企業の企業価値や投資優位性を訴えていくために、英文アイテムを制作する流れは一般的になりつつあります。海外向けIRツールを制作される際には、ご参考にされてみてはいかがでしょうか。

 

【コラム 株主通信3】株主通信 事始め

弊社は、2002年の創立以来、企業IRの支援をメインの事業としてきました。そして、株主通信の制作は、今日も事業の中核となっています。

弊社が株主通信の制作のお手伝いを始めたころは、IRツールというよりは、情報開示(ディスクロージャー)の意味合いが強いものでした。開示資料として作成している決算短信で発表した内容をピックアップして、それに社長様のごあいさつや会社情報・株主情報を加えたもので、「文章と財務諸表」、これが株主通信の普通のスタイルだったのです。

初期のIRとしては、すべての株主に定期的に郵送される株主通信で開示資料の内容をピックアップしてお届けすることも意味あることだったのですが、「文章と財務諸表」のスタイルでは、個人投資家の方々にはやっぱりわかりづらいですよね。

カラーにして彩りを加える、社長様のお写真や商品の写真を掲載する、できるだけ図式化する、業績推移は数字の表ではなくグラフにする、長い文章には見出しをつける、…。いまの目で見れば基本的なことですが、「しっかり読まないといけない」ものから「見てわかる」ものへと私どもの提案内容は変化していきました。

「From A to media」 お客様が伝えるべきメッセージの核心はなんなのか、なんのために情報を発信するのか、という原点思考があるからこそできた変革です。

IR実務あるある②

「 いかにメッセージ力を高めるか 」

 

IRの仕事に携わる私たちが、日々向き合っているテーマです。

 

以下、表現手段の工夫として、大まかなポイントをあげてみます。

 

・文字は、なるべく大きく読みやすく

・文章は、長すぎず簡潔に

・表・グラフ・図解は、見やすくポイントを明確に

・写真は、なるべく大きく綺麗に

・ページレイアウトは、読み手の目線を意識して読みやすく

・ページ構成は、理解が進むように、最後まで読んでいただけるように

 

これら一つ一つが完成度を左右することは間違いなさそうです。

 

しかし、これらのテクニカルな工夫のみでメッセージ力は高まるといえるでしょうか。

 

確かにメッセージの分かりやすさ、伝わりやすさは高まると思いますが、メッセージの本質的な力を高めるものではないと考えます。

 

つまり、メッセージを構成するコンテンツそのものが大変重要だということです。

 

例えば「親近感」が感じられるコンテンツ。誰でも親近感を覚えている人の話は、耳に入りやすいものです。一般の方にはなじみの薄いBtoB企業などでは特に大事なコンテンツになるでしょう。

また「単純明快」な内容のコンテンツ。2020年までに売上高2,020億円突破を目指しますと言われれば大概の人は記憶に残るでしょう。丁寧な説明が求められるコンテンツの場合は特に、シンプルで的確な見出しを立てることでコンテンツが活きてきます。

そして「驚き」のあるコンテンツ。webサイトの検索エンジンを運営する会社が、自動運転システムの開発を発表したことは、誰もが鮮明に覚えていると思います。もちろん、社会に大きなインパクトを与えるような内容のコンテンツでなくても、一般の方にとって新鮮に感じる内容であれば十分です。

 

その他にもメッセージ力を高めるコンテンツはいろいろあるのですが、私たちはお客さまと一緒になって、よりメッセージ力の高いIRのお手伝いをしていきたいと考えています。

「いい感じ」を伝える。

左脳には論理的な事柄を司る機能、右脳には感性・感覚を司る機能があると言われています。

本来IRツールは、データあるいは論理的な文章など読者の左脳に響く情報がメインだと思います。

すこし乱暴な言い方ですが「読みたい人に伝われば良い」というのがIRツールの必要要件であったと言えるでしょう。

しかし、冊子をパッと開いた時に「良さそうな会社だな」と感じていただく、いわば右脳に響く工夫がIRツールにも必要だと私たちは考えています。話題の企業に焦点を当てたドキュメントなどを見た際に、その会社の業績等とは一線を画す情報として、その企業の「社風」や「気質」に好印象を持つ方も多いのではないでしょうか。

私たちはそんな感覚をIRツールからも読者が感じられる様にしたいと思っています。熱いまなざしで語る社長や生き生きと働く従業員の写真、効果的なキャッチコピーやビジュアルワークなど、読者の直感に響くツールづくりのためにできることは様々です。

a2mediaには、広告のデザイナーやコピーライター、雑誌の編集といったIRのフィールド以外でも活躍してきた様々なディレクターがいます。「IR」に縛られず、PRの目線などコーポレートコミュニケーションの広い視点から、ステークホルダーとの対話をより良いものにできるよう日々知恵を絞っています。

【コラム 株主通信2】株主通信は個人投資家向けの冊子である

投資家は個人投資家と機関投資家に分けられます。個人投資家は、個人の資産で投資を行う人、機関投資家は、銀行・保険会社・証券投資信託・財団など、法人形態の投資家です。

さて、個人投資家と機関投資家ではどちらの人数が多いかご存じでしょうか。
東京・名古屋・札幌・福岡の4証券取引所の調査では、全上場企業の延べ株主数は5,105万人、うち個人投資家は4,967万人と約97%を占めています。
(なお、保有状況では株主全体で581兆円、うち個人投資家は99兆円で約17%です)
「2016年度株式分布状況調査の調査結果について」
http://www.jpx.co.jp/markets/statistics-equities/examination/nlsgeu000002ini6-att/j-bunpu2016.pdf

 

前回書きましたように、株主通信は「定期的に全株主の手許に届けられる冊子」です。各社によっていくぶん違ってきますが、株主の大半は個人株主=個人投資家ですので、株主通信は個人投資家向けの冊子と位置付けられるのです。
ちなみに、機関投資家向けには、統合報告書やアニュアル・レポート、インベスターズ・ガイドといった専門家向けの媒体が作成されています。

個人投資家のなかには、株式投資の経験と専門知識が豊富な「プロ個人投資家」もいますが、ほとんどの個人投資家はプロがもつような専門知識をもっているわけではなく、また資産運用として投資を始めて経験の浅い方々も多くいます。
そのため、読者に専門知識をもっていない一般の個人投資家を想定して、その会社の事業内容を知っていただき、どういう事業で利益を上げ、財務状況はどうなっていて、株主の方々への還元方法はどうなっている―配当をどれだけにする、どのような株主優待制度を設けている―といった情報をかいつまんで整理し、視覚的にイメージできるようにデザインを考えたりして、「すっと読めて、見てわかる」ように心がけています。

IR実務あるある①

10月も半ばを過ぎて、IR担当の皆さまはいつにも増して忙しい毎日を過ごされているのではないでしょうか。

かくいうa2mediaも、おかげさまでこの時期は、多くのお客さまにお引き合いをいただき、IRツールの制作のお手伝いをさせていただいています。

今回はその制作業務の流れをご紹介しつつ、IR実務あるあるをお話しします。

最も一般的なIRツールのひとつとして、a2mediaも多くの上場企業さまの株主通信の制作に携わっています。中間決算と期末決算と年2回、実際の制作に入る前に必ずお客さまのところを訪問します。キックオフと称して、制作にあたっての方向性や重要事項を確認するためです。

キックオフに際しては、今回はどのページに何を掲載するのか、どのような表現(デザイン)が効果的か等、お客さまの経営状況・現状課題等も踏まえつつ、様々な観点からお話合いをさせていただき、よりご満足いただける内容を企画・模索します。

実際の制作においては、お客様と何度もキャッチボールをしながら、修正を重ねて完成=校了に至ります。

この制作過程でよく起こるのが、誌面は読みやすくしたいが、より丁寧な(多くの)説明文を掲載し写真も大きく使いたいというジレンマに陥るケースです。説明文は削りすぎると内容がさびしくなるし、写真は小さいと写真の良さ・インパクトは半減してしまいます。

いかにしてメッセージ力を高めるか。
制作作業に入ると必ずと言っていいほどこの問題にぶつかります。
この点は多くのIR担当の皆さまにも、共感していただけるのではないでしょうか。

a2mediaは長年、誌面という物理的な制約の中で、この正解のない問いと向き合い、その都度よりベターな解を提供してまいりました。

私たちはこれまでの経験から、IRという特別な性格も踏まえた最適解を、きっと提供できると自負しています。

コーポレートガバナンス・コード「実施」状況のトレンド

2015年の公表以来、続々と対応が進められている「コーポレートガバナンス・コード」。
お客様とのお打ち合わせの場でも、他社における対応状況等、話題に上ることが増えてきております。

2017年9月5日、東証は市場第一部・第二部(2,540社)のコーポレートガバナンス・コード対応状況について、集計結果を公表しました。この調査は2016年から実施されており、今回で2回目の結果公表となります。

[コーポレートガバナンス・コードについて]
2017年7月14日時点
◆全73原則を「実施」している上場会社: 659社(25.9%)
◆一部原則を「説明」している上場会社: 1,881社(74.1%)

※出典:株式会社東京証券取引所「コーポレートガバナンス・コードへの対応状況(2017年7月14日時点)」より作成
http://www.jpx.co.jp/news/1020/20170905-01.html?utm_source=submitmail&utm_medium=405

1回目の調査(2016年12月)に比べると、「全73原則を「実施」している上場会社」は6ポイント伸びており、また、9割以上を「実施」できた会社が90%に迫るなど、認知および実施については前進していることがわかります。

コーポレートガバナンス・コードの原則ごとの実施状況については、取締役会の実効性評価、また独立社外取締役2名以上の設置などは高い実施率となっているのに対し、議決権電子行使プラットフォームの利用や招集通知の英訳など、主に株主総会に関連する事項については、対応が大きく遅れているようです。

今年に入り、私どもでIRツールの英語版を制作させていただく中でも同様の傾向を感じております。また遅れているとはいえ招集通知の英文対応につきましても、外国人投資家との対話への要望から、増加傾向にあると思います。多くの上場会社様では、コーポレートガバナンス・コードへの認知および理解がほぼ浸透し、今後さらに「実施」のフェーズに進んでいくと思われます。

和文のIRや広報、サイト運営をお考えいただく際には、こうした外国人投資家への働きかけも意識していただき、英文アイテムも同時に制作されるのはいかがでしょうか。