サッカーとIR!?

大健闘とも言える日本代表の活躍など大いに盛り上がったFIFA ワールドカップ。3月決算の企業様の株主総会の運営支援、株主通信の制作等、弊社は1年で最も忙しい時期ではありましたが、ランチタイムなどはサッカーが話題の中心となっていました。

そんな中、若干職業病的な視線かもしれませんが(笑)、観戦しながら頭に浮かんだサッカーとIRの共通点のお話を。

サッカーに限らず、近年のスポーツはITの発展によって、チームや選手のパフォーマンスを表す指標が増え、リアルタイムで視聴者に報じられています。パスの精度や個々の走行距離など、ひと昔前までなじみのなかった様々な指標は、サッカー通にも、ふだんサッカーを観ない人にも、観戦時に有意義な情報となっていたと思います。また、日本のグループステージ突破で注目を浴びたフェアプレーポイントも、チームを測る一側面となったのは記憶に新しいところです。ひょっとしたら、今後はチームワークなどを測る新たな指標も生まれるかもしれません。

IRに目を転じるとデータの開示は、資本市場と向き合う上で切っても切れない事項。ROE(自己資本利益率)が注目を浴びるようになったり、サッカーの「フェアプレーポイントの様」と言うと言い過ぎかもしれませんが、非財務指標が充実したりと、資本市場へ企業の姿を伝えるデータは時代とともに変化、発展しています。

各選手のパフォーマンスだけでなく、データも楽しめる様になったサッカー観戦。この体験はIRの各指標をわかりやすく伝えることはもちろん、どんな指標を提示すべきかまで提案できる、お客様のより良いパートナーでありたいと思うきっかけになりました。

株主通信 今年のトレンド

日本では、国の会計年度は4月始まり3月終わりとなっています。なぜそうなったかというのはよくわからないようですが、1886年(明治19年)以来130年以上続いているそうです。

https://style.nikkei.com/article/DGXKZO98594580Y6A310C1W11001
※出所:日経電子版 NIKKEI STYLE「イチからわかる 年度はなぜ4月からなの?」(日経プラスワン2016年3月19日付)

日本の上場企業は3月決算の会社が多くなっています。国の会計年度に合わせる会社が多かったためと言われていますが、上場3,728社中、その約65%にあたる2,436社が3月決算となっています。

https://www.nikkei.com/markets/kigyo/money-schedule/kessan/?ResultFlag=4&KessanMonth
※出所:日本経済新聞 決算発表スケジュール(上記URLにて2018年6月25日に調査)

そのため、この時期に発行・送付される株主通信が、1年を通じてもっとも多くなっており、私たちも、多くの会社様と打ち合わせながら株主通信を制作しています。

昨年、今年と決算関係について法制度面の大きな変更がなかったために、株主通信は内容面の充実を考える会社様もありました。その際、意識した話題は「ESG投資」です。

先進的な企業では、統合報告書やサステナビリティレポート、CSRレポートなどでこの観点を採り入れて制作するのがすでに一般的になってきていますが、個人株主を中心に全株主に手近に届けられる株主通信においてもESGの具体的な取り組みを発信したいというご相談を受ける例が増えてきています。

とはいえ、個人投資家には、まだまだ認知の高くない言葉です。個人株主・投資家の方々にはその取り組みを行う理由も理解していただけるように趣旨や目的を発信していくことが大切だと思います。

※出所:e-株主モニターアンケート(a2media 2018年1月実施)

「Q:「ESG」という言葉と内容を知っていますか。選択肢からもっとも近いものを1つお選びください。」

ギャップの力

今日は、ギャップについて、つらつらと。

最近、社内の個人診断を目的とした自己開発サーベイで、自分が周囲からどういう風に見られているか、知る機会がありました。普段、それなりに客観的に自分を認識しているつもりでも、アンケート結果では自分では気づかない姿が明らかになりました。
「自分はこうありたい」とのギャップを目の当たりにした結果、「明日からこうしなきゃ!」が明確になり、少なからずモチベーションが上がったことを実感しています。

ギャップ萌えという言葉をよく耳にします。
「普段がさつな男性(女性でも)が、実は手料理が得意で、ある時振る舞ってくれた」
こうした場合、多くの人がこのギャップにやられてしまいがちですよね?ギャップそれ自体が人の気持ちを動かすという、分かりやすい例と言えそうです。

私達がお手伝いしているIRの仕事もあるべき株価と実際の株価のギャップを埋めようとする活動と言えるかもしれません。上場企業の市場での評価(=株価)は常に上がったり下がったり。その企業が持つ本質的な価値をわかりやすく伝え続けることで、そのギャップを埋めながら株価を適正な水準に誘導していくのがIRの役割と言えるのではないでしょうか。

ギャップを把握することは、モチベーションの源泉であり、そこから世界をよりよい方向へと変えていく原動力のようです。

    

ワークショップ 「IRとは?」

先日、当社のIRコミュニケーション事業部全員でワークショップを行いました。テーマはズバリ「IRとは?」。辞書的な意味合いは一人ひとりが理解しつつも、その活動の意義や価値の捉え方は個々で少しずつバラつきがあり、誰のために・なんのためにIRが必要なのか、原点にたちかえって考えてみることにしました。

議論を通して
・企業の成長のためには必要不可欠。
・株主、投資家のためだけのものではない。
・コーポレートブランディングとリンクするもの。
など様々な意見が出ました。

フランクな空気の中、それぞれの経験や知識を擦り合わせることで、事業部全体でIRについての意識・認識に広がりを持たせることができました。また、IRコミュニケーションに携わる者として、自分たちの仕事の意義を改めて見直す良い機会になった様にも思います。
皆さんだったら「IRとは?」というクエスチョンに、どう答えられますか?

季節の写真を撮りましょう。

「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし」(在原業平)

好きな和歌のひとつですが、仕事柄、室内で過ごすことが多い私は、桜の見頃を見送ってしまわないかと、毎年はらはらしています。

そんなわけで「今年は見逃さないぞ」と固く決意し、カメラを持って出かけました。弊社の周辺は桜の見所が多くあるのです。

「あっちの桜も、こっちの桜も」と会社の周りを廻りました。もう散りはじめでしたが、一気に咲き誇った今年の東京の桜を写真に収めることができました。

こんな話を書いたのは、写真の大切さをお伝えしたかったからです。お客様のお仕事を手伝っていると「写真がないんです」というお困りの話に出合うことがときどきあります。社内イベントやセミナーを実施したときに写真を撮ることまで手が回らなかったためです。文章で説明するなど代替手段を考えますが、やはりその場面を見せるのが一番。写真がなくてちょっと残念、と思って仕上がりを見届けることがあるのです。

「この季節でないと撮れないシーン」というのが年中行事であると思います。スナップ写真もその場の雰囲気が伝わって良いものです。ぜひ、カメラやスマートフォンで「この季節でないと撮れないシーン」を収めてください。

【コラム 株主通信5】株主通信は、PDFではなく冊子で読みたい人が多い

~e-株主リサーチ 個人投資家モニターアンケートより~

「このネット時代、株主通信を印刷して郵送するのではなく、ホームページにPDFや電子ブックをアップして、そこに見にきてもらうようにすればよいのではないか」

こうしたお問い合わせをいただくことがあります。

弊社には、「e-株主モニター」というインターネットをつうじて登録していただいている個人投資家モニターがいます。この「e-株主モニター」を対象に、毎年企業のIRについての意識調査を行っています。

その調査結果では、回答された方の52.1%が「従来どおり冊子を郵送してほしい」の選択肢を選択しています。

Q:株主向け報告書(株主通信)の制作・郵送に関して、ご意見をお聞かせください。

「半分しかいない」というふうに受け止められるかもしれませんが、この調査はインターネットを使える人たちを対象としたインターネットでの調査です。つまり、インターネットを使いこなす人でも過半数が冊子の郵送を求めているのです。インターネットを使うことのない・少ない方々も多数いることを考えると、実際には冊子の郵送を求める人の割合はもっと高くなるものと考えています。

これを株主通信の読み方別に割合を出すと、もっとはっきりした傾向が見られます。

株主通信に「必ず全ページ目を通す。」と答えた人の75.1%が「従来どおり冊子を郵送してほしい」と答えています。

「株主通信は、冊子の形で定期的に手許に届けてほしい」 調査結果からはインターネット時代であっても、個人投資家のそんな気持ちが浮かび上がっているように思います。

なお、今回の調査について、弊社ホームページにニュースリリースを出していますので、そちらもぜひご覧になってください。

「個人投資家における「ESG投資」の認知度は緩やかに高まる。
スマートフォンでIR情報を取得する個人投資家の割合が高まる。」

(URL)https://www.a2media.co.jp/news/detail.php/35

この調査、あるいはe-株主モニターアンケートに興味を持たれた方は、お気軽にお問い合わせください。

※今回の調査は、2018年1月19日~1月29日に実施いたしました。

【 コラム 株主通信 4 】 財務諸表が見てわかる

「見てわかる」工夫、そのなかでもっとも大きな変革は「財務諸表の視覚化」です。

企業の業績を伝えるにあたって、財務諸表は重要な情報になっています。しかし、数字だけが並ぶ財務諸表ではどのくらい良くなったのか(悪くなったのか)イメージが湧かない、また数字はどうしても苦手、という人が少なくありません。

「数字が苦手な人に、どうすれば数字で伝えたい内容をイメージしてもらえるか」

ここでも「見てわかる」がキーワードです。

【例】

・損益計算書(要旨版)

・グラフにした損益計算書

~前期より伸びた理由を吹き出しで補足

どうでしょうか。

この例は、前期より数字が伸びた場合の損益計算書ですが、表に数字が書いているものでも、前期より数字が伸びていることはわかります。しかし、どのくらい伸びたのかは、グラフにしたものの方がイメージをもちやすくありませんか。それに、数字だけで見るよりは、生き生き伸びている感じがします。

財務諸表をグラフにして表現することは、「財務諸表は表である」という考えも強くあったので、受け入れられるのに少し時間がかかりましたが、いまでは、株主通信においてグラフにした財務諸表は受け入れられています。

また、株主通信を受け取る個人投資家にも、この表現方法は浸透していて、弊社が定期的に行っている、個人投資家モニターアンケートでも回答者の約半数がこの表現方法を支持しています。

※出所:e-株主モニターアンケート(a2media 2017年1月実施)
「Q:株主向け報告書(株主通信)によく掲載されている財務諸表について、ご意見をお聞かせください。」

 

アワードで知る、海外向けIRのトレンド

私たちa2mediaでは、海外向けIRのトレンドをつかむために、海外でのアワード受賞作品を、社内の勉強会などで閲覧・検討しています。今回はその中で、参考にしているアワードについて 、いくつかご紹介いたします。

 

◆ Building Public Trust Awards (BPTA)

https://www.pwc.co.uk/build-public-trust/the-building-public-trust-in-corporate-reporting-awards.html

[主催] PwC UK(イギリス)

エンロン事件やワールドコム事件を受けて、公正な報告を目指して設立されたアワードです。企業活動を通じての社会への貢献や、公共の信頼を考慮するなど、変化する社会情勢にも適応してきています。企業報告部門ではFTSE350銘柄が審査対象となっています(「人材」についてのみ対象はFTSE100銘柄)。

なかでも、「人財 管理」human capital managementや「雇用の実践」employment practiceを評価する人材部門などが興味深いです。大手監査法人主催ということもあり、税金部門も。国際的な租税回避に対する規制強化の流れを受け、こういった項目も今後は注目されてくることと思われます。

このアワードの経験などに基づき、FTSE350銘柄のアニュアルレポートについて、トレンドをまとめた記事をこちらで読むことができます。
https://www.pwc.co.uk/services/audit-assurance/insights/ftse-350-reporting-trends-.html

 

◆ ARC Awards

http://www.mercommawards.com/arc/awardWinners/categoryWinners.htm

[主催] MerComm, Inc.(アメリカ)

細分化されたカテゴリ毎にアニュアルレポートを評価するアワードです。社長メッセージ部門や、情報を視覚的に伝えるインフォグラフィックス部門など、ちょっと変わった賞もあり、各賞も産業分野ごとに細かく分類されています。

個別のアワードではないですが、国際統合報告評議会(IIRC)が運営するデータベースサイト上では、各国の表彰を受けた統合報告書の事例集を確認することができます。

IIRC、Black Sun(イギリス)

http://examples.integratedreporting.org/recognized_reports

 

こういったアワードから、海外投資家やステークホルダーが注視している項目について傾向を知るとともに、アワード選考委員の問題意識から、今後のIRにおける重視項目なども探っていきたいと考えています。

海外向けに、日本企業の企業価値や投資優位性を訴えていくために、英文アイテムを制作する流れは一般的になりつつあります。海外向けIRツールを制作される際には、ご参考にされてみてはいかがでしょうか。

 

【コラム 株主通信3】株主通信 事始め

弊社は、2002年の創立以来、企業IRの支援をメインの事業としてきました。そして、株主通信の制作は、今日も事業の中核となっています。

弊社が株主通信の制作のお手伝いを始めたころは、IRツールというよりは、情報開示(ディスクロージャー)の意味合いが強いものでした。開示資料として作成している決算短信で発表した内容をピックアップして、それに社長様のごあいさつや会社情報・株主情報を加えたもので、「文章と財務諸表」、これが株主通信の普通のスタイルだったのです。

初期のIRとしては、すべての株主に定期的に郵送される株主通信で開示資料の内容をピックアップしてお届けすることも意味あることだったのですが、「文章と財務諸表」のスタイルでは、個人投資家の方々にはやっぱりわかりづらいですよね。

カラーにして彩りを加える、社長様のお写真や商品の写真を掲載する、できるだけ図式化する、業績推移は数字の表ではなくグラフにする、長い文章には見出しをつける、…。いまの目で見れば基本的なことですが、「しっかり読まないといけない」ものから「見てわかる」ものへと私どもの提案内容は変化していきました。

「From A to media」 お客様が伝えるべきメッセージの核心はなんなのか、なんのために情報を発信するのか、という原点思考があるからこそできた変革です。

IR実務あるある②

「 いかにメッセージ力を高めるか 」

 

IRの仕事に携わる私たちが、日々向き合っているテーマです。

 

以下、表現手段の工夫として、大まかなポイントをあげてみます。

 

・文字は、なるべく大きく読みやすく

・文章は、長すぎず簡潔に

・表・グラフ・図解は、見やすくポイントを明確に

・写真は、なるべく大きく綺麗に

・ページレイアウトは、読み手の目線を意識して読みやすく

・ページ構成は、理解が進むように、最後まで読んでいただけるように

 

これら一つ一つが完成度を左右することは間違いなさそうです。

 

しかし、これらのテクニカルな工夫のみでメッセージ力は高まるといえるでしょうか。

 

確かにメッセージの分かりやすさ、伝わりやすさは高まると思いますが、メッセージの本質的な力を高めるものではないと考えます。

 

つまり、メッセージを構成するコンテンツそのものが大変重要だということです。

 

例えば「親近感」が感じられるコンテンツ。誰でも親近感を覚えている人の話は、耳に入りやすいものです。一般の方にはなじみの薄いBtoB企業などでは特に大事なコンテンツになるでしょう。

また「単純明快」な内容のコンテンツ。2020年までに売上高2,020億円突破を目指しますと言われれば大概の人は記憶に残るでしょう。丁寧な説明が求められるコンテンツの場合は特に、シンプルで的確な見出しを立てることでコンテンツが活きてきます。

そして「驚き」のあるコンテンツ。webサイトの検索エンジンを運営する会社が、自動運転システムの開発を発表したことは、誰もが鮮明に覚えていると思います。もちろん、社会に大きなインパクトを与えるような内容のコンテンツでなくても、一般の方にとって新鮮に感じる内容であれば十分です。

 

その他にもメッセージ力を高めるコンテンツはいろいろあるのですが、私たちはお客さまと一緒になって、よりメッセージ力の高いIRのお手伝いをしていきたいと考えています。